「丁寧な暮らし」って言葉、もうね、インスタで見飽きました。
サイドFIREして1年経って分かったのは、世間で語られる「丁寧な暮らし」の大半がウソだということ。高級な食器でサラダ食べてる写真じゃないんです、本当の丁寧さって。
丁寧な暮らしには実は明確な構成要素がある。しかもそれらは密接に関連してる。そしてそれは、フルタイム労働では手に入りにくいものなんですよね。
「丁寧な暮らし」を構成する3つの要素とその関係性
余裕:すべての土台となるもの
まず第一に余裕です。時間的余裕、精神的余裕、経済的余裕。この3つがそろって初めて「丁寧」が生まれるんですよ。
時間的余裕っていうのは、朝起きてから「あー、今日も時間がない!」って焦らなくていい状態のこと。
精神的余裕は「まあ、なんとかなるでしょ」って思えること。
経済的余裕は「お金のことで選択肢を狭めなくていい」状態です。

マズローの欲求階層説で言うと、基本的な安全欲求が満たされた状態だね。この土台がないと上位の欲求は満たせない。
自律:選択の主導権を握ること
二番目が自律。要は「自分で決められる」ってことです。何時に起きるか、何を食べるか、誰と会うか、何の仕事をするか。これらを自分で選択できる状態が自律なんです。
でも雇われてる限り、これは不可能です。会社が決めたスケジュールに従い、会社が決めた仕事をして、会社が決めた人間関係の中で生きる。どこに自律があるんでしょうか?
美学:自分が美しいと思う生活の実践
そして三番目が美学。これがね、「一貫性」とかじゃないんですよ。自分が美しい、正しいと思う生活の形式があって、それに沿って暮らすということです。
例えば「朝はゆっくりコーヒーを淹れて飲みたい」とか「好きな音楽を聴きながら料理したい」とか「パートナーとの時間を大切にしたい」とか。そういう自分なりの美学を実践することなんです。

美学って言葉、いいね。哲学っていうより、もっと感覚的で個人的なものって感じがする。
3つの要素は相互に支え合っている
ここが重要なんですが、この3つって独立してるわけじゃないんですよね。好循環を作るんです。
美学を実践するには余裕が必要。朝ゆっくりコーヒーを淹れるには時間的余裕がいる。好きな食材を買うには経済的余裕がいる。そして余裕があるから自律できる。自分で選択できるから美学を追求できる。
逆に言えば、どれか一つでも欠けると全部が崩れるんですよ。

で、多くのサラリーマンは全部欠けてるから、丁寧な暮らしなんて無理ゲーってことだなw
フルタイム労働が生む悪循環の構造
余裕の完全な欠如が起点
朝7時に起きて満員電車に詰め込まれ、夜10時に帰宅。どこに時間的余裕があるのか。疲れ果てて帰宅して、どこに精神的余裕があるのか。家賃だけで収入の3分の1が消えて、どこに経済的余裕があるのか。
余裕がないから、自律なんて夢のまた夢。会社の都合に振り回されて、「自分で選ぶ」なんて贅沢は許されない。

でも休日とかあるじゃん!その時間に美学を追求すればいいんじゃない?
あのね、平日にクタクタになって働いて、休日に美学もクソもないです。せいぜい「疲れを取る」ことで精一杯。
東京という「金持ちのために働く」システム
そしてここが一番の問題なんですが、東京って金持ちと金持ちのために働く労働者の街なんですよね。
あのね、東京で働くサラリーマンって、結局は金持ちのために生きてるんですよ。不動産オーナーのために家賃を払い、企業オーナーのために働き、消費社会のために買い物をする。
自分なりの美学を考える時間も気力もない。気がついたら他人が作ったレールの上を走ってるだけ。どこに美学があるんですか?

経済構造的に見ると、労働者は資本家のために働く仕組みになってるからね。マルクスの『疎外された労働』そのものだよ。
美学を諦める悪循環
余裕がない→自律できない→美学を諦める→さらに余裕がなくなる。この悪循環にハマると抜け出せないんですよ。
「丁寧な暮らしなんて贅沢だ」「現実を見ろ」「みんな我慢してるんだ」。こういう声が聞こえてきそうですが、それってまさに悪循環の中にいる証拠なんですよね。

でも、みんながみんな悪循環にハマってるわけじゃないと思うよ。工夫して自分なりの丁寧さを見つけてる人もいるんじゃないかな。
もちろんそうです。でも「工夫」で何とかなるレベルを超えてるんですよ、今の東京の労働環境は。
サイドFIREで実現した3要素の好循環
余裕の回復:朝の散歩という贅沢
いまぼくは朝7時に起きます。でも慌てて準備する必要はありません。ゆっくりとシャワーを浴びて、好きな音楽をかけながら身支度をする。天気の良い日は軽く外を散歩してから、丁寧にコーヒーを淹れる。
この「丁寧に」っていうのが、実は革命的なんですよ。
コーヒー豆を選んで、挽いて、お湯の温度を調整して、ゆっくりと抽出する。これがぼくなりの美学なんです。そしてこの美学を実践できるのは、時間的余裕があるからなんですよね。

朝のコーヒーの時間って特別だよね。一日の始まりに自分と向き合う時間って感じがする。
自律の獲得:やりたくない仕事は断る権利
サイドFIREの最大のメリットは「断る権利」を手に入れることです。やりたくない仕事、合わない人間関係、無意味な会議。全部断れます。
これが自律なんですよ。「お金のために我慢する」から「自分の美学に合うかどうかで判断する」へのシフト。
好きなタイミングで仕事を始めて、好きなタイミングで終わる。通勤電車には乗らない。満員電車で他人に押しつぶされることもない。

まあ、断る権利があるからって、全部断ってたら収入ゼロになるけどなw でも選択肢があるってのは強いよなw
そうですね、現実的には全部は断れません。でも「断れる」という選択肢があることで、自分の美学を基準に判断できるようになるんです。
美学の実践:自分らしく生きる
そして一番大きいのが、自分らしい美学を追求できることです。
会社員時代は、どこか「普通の人」を演じてる部分がありました。でもいまは、会社でもカミングアウトして、ゲイコミュニティの中で自然体でいられて、自分の価値観で生きられます。
これがぼくなりの美学なんですよ。他人の期待に応えるんじゃなくて、自分が美しいと思う生き方を選ぶ。

アイデンティティの統合だね。本来の自分と社会的役割の自分が一致してる状態。心理学的にはとても健康的な状態だよ。
札幌移住:システムからの完全脱出
そして札幌に移住したことで、東京の「金持ちのために働く」構造から脱出できました。
家賃は東京の2分の1、通勤ストレスはゼロ、自然は豊か。何より「お金持ちになるために頑張る」んじゃなくて「自分らしく生きるために工夫する」生活に変わりました。
札幌の朝、雪景色を眺めながら温かい部屋のなかで飲むコーヒー。
これがぼくの美学です。東京にいたら絶対に実現できなかった。

でも札幌だと仕事の機会とか限られるんじゃない?東京みたいに選択肢多くないでしょ?
確かにそうですが、リモートワークが当たり前になった今、場所の制約はかなり減りましたよね。そして何より、「選択肢の多さ」と「選択の質」は別物なんですよ。
好循環が生み出す本当の豊かさ
3要素が支え合う日常
いまのぼくの生活は、余裕→自律→美学→さらなる余裕、という好循環になってます。
朝ゆっくり起きられる余裕が、自分のペースで一日を組み立てる自律を生み、自分らしい美学を実践できる。そしてその美学的な生活が心を豊かにして、さらなる余裕を生み出す。

いい循環だね。一つひとつは小さなことでも、積み重なって大きな変化になるんだ。
美学は人それぞれ
ここで誤解してほしくないのは、ぼくの美学が正解ってわけじゃないことです。
朝のコーヒーじゃなくて紅茶がいい人もいるでしょ。散歩じゃなくて読書がいい人もいるでしょ。札幌じゃなくて沖縄がいい人もいるでしょ。
大切なのは、自分なりの美学を見つけて、それを実践できる環境を作ることなんです。

まあ、美学とか言っても、結局は金と時間があるかどうかだけどなw キレイごと言ったって現実は厳しいぜw
確かにそうです。でもだからこそFIREなんですよ。美学を実践するための余裕と自律を手に入れる手段として。
本当の豊かさとは何か
丁寧な暮らしって、高級な食器でもオーガニック野菜でもないんです。余裕・自律・美学の好循環を作ることなんですよね。
そしてこの好循環を作るための最初の一歩が、余裕を取り戻すこと。そのための手段がFIREなんです。

システム思考で言うと、レバレッジポイントを見つけることだね。どこに力を加えれば全体が変わるか。余裕がその起点になってる。
お金のために我慢する生活から、自分の美学のために選択する生活への転換。これが本当の豊かさなんじゃないでしょうか。
完璧を目指さなくてもいい
「でも私にはFIREなんて無理」って思う人も多いでしょうね。確かに全員がFIREできるわけじゃありません。
でも「働き方を見直す」「支出を見直す」「自分の美学を見つける」、これぐらいはできるはずです。完璧な好循環じゃなくても、小さな改善から始めればいいんです。

一歩ずつでいいよね。完璧じゃなくても、自分らしい美学を少しずつ取り入れていけば、きっと生活が豊かになる。
朝のコーヒーを5分長く味わうだけでも、それは美学の実践なんですよ。そういう小さな積み重ねが、やがて大きな変化を生むんです。
みなさんも一度、自分の生活を見直してみてください。余裕はありますか?自律はできていますか?自分なりの美学はありますか?
そしてこの3つが好循環を作っているか、それとも悪循環にハマっているか。もし悪循環なら、まずは余裕を取り戻すことから始めてみてください。
丁寧な暮らしは、お金をかけることじゃありません。自分なりの美学を実践できる環境を作ることです。そしてそのための手段として、FIREという選択肢があるんですよね。
現場からは以上です。
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