「FIRE=永遠のバカンス生活」みたいな幻想ってありますよね?
でも実際は、完全FIRE達成したら意外と「なんか物足りないな」って感じることが出てくるんですよ。
ただ寝て酒飲んで、好きな本読んで、NetflixとAmazon Primeを見て、たまにコンドミニアムのプールで泳いだり、近所のビーチを散歩する。
最初は天国だけど、そのうち「これって本当に人生か?」って思うようになるんです。
ふと横を見たら80歳過ぎのヨボヨボのおじいちゃんが、GUICCIとか書かれたバッタもんのティーシャツ着て、ぼくと同じような生活をしている。
ぼくの場合は43歳。まだまだ人生長いんですから、ただボーっと過ごすだけってのはなんか違うなと。
FIRE後の「挑戦欲」と転職活動への突入
FIREして数ヶ月経った頃、「やったことのないことリスト」というのを作ってみたんです。バンジージャンプとかイギリス旅行とか外国語の習得とか、あとは…そう、転職活動。
これってFIREした人間にとっては最高の遊びなんですよね。だって働かなくてもいいわけだから、気に入らなきゃ断ればいいし、条件が悪けりゃ「結構です」って言えばいい。
普通の転職活動って、今の仕事を続けながらこっそりやるから時間も気力も限られてるじゃないですか。でもFIRE済みなら、それこそ転職活動に全力投球できるんです。転職エージェントとの面談も平日昼間に余裕で設定できるし、企業研究だって徹底的にできる。

FIREの心理的側面って意外と見落とされがちだよね。マズローの欲求段階説でいうと、生理的・安全的欲求が満たされると、次は所属と愛の欲求、承認欲求、自己実現欲求が出てくるんだ。社会との関わりを求めるのは自然なことなんだよ。
完全FIREって結局、思ったより時間を持て余す状態になる。「一日中好きなことできる!」って思ってたけど、好きなこと24時間365日やり続けると、それはそれで飽きてくる。
そして気づくんです、「あれ?なんか社会との繋がりが必要かも…」って。
特にぼくたちゲイの場合は、普通に配偶者が子供がいるわけじゃないから余計にね。

せっかくFIREしたのに社会復帰とか笑えるw 結局、お前ら「会社」って檻から出られても、また自分から檻に戻りたがるんだなw 自由の恐怖に耐えられないヤツばっかw
FIRE資産があるからこそ、「自分の条件で働ける」という贅沢ができるんです。
完全FIREの想像以上の「暇な日々」
ぶっちゃけ、朝起きて「今日何しよう」と考える時間が長すぎるんですよ。
好きなことも一日中やると飽きてくるし、旅行も毎日やってると、「このホテル今週末までだな。次のところ予約しないと」とか「あそこ行くのに航空券買わないと。空港からホテルまではどうやって移動するのか調べないと」とか。
特にゲイの場合、一般的な「家族サービス」みたいな時間の使い方もないので、余計に「時間余り問題」が発生します。
完全FIREして3ヶ月経った頃、朝起きて「今日は何しよう…」と考えるのがストレスになり始めた自分に気づいたんです。好きなときに好きなことをする自由はあるけど、それを「毎日」続けると、ある種の虚無感が襲ってくる。
これって結構、FIRE系のブログでは語られないタブーなんですよね。
FIRE民は、みんなから憧れられてなんぼ、みたいなところがあるので、「俺たちって自由で最高!」っていうポジションを取らないと成立しないし。
「働かなくてもいい」という心理的余裕
これ、転職活動においては、マジで最強の交渉カードなんです。
「別にあなたの会社で働かなくても生きていけます」という状態で臨めるので、自分の要求や条件を突き付けられる。
また、急いでないので、良い条件のオファーを待てるし、見極められる。
驚きの転職市場と「働き方革命」の発見
転職活動始めてびっくりしたのは、40代半ばのおじさんゲイに50以上のオファーが来たこと。
大手企業から外資系コンサルまで。しかも「フルリモート可」「裁量労働制」といった柔軟な働き方を提案してくるとこが多かった。これ、コロナ後の人事施策の変化なんでしょうね。
最初は「本当に採用する気あるの?」って疑ってたんですよ。だって、よく「35歳限界説」とか「40代からの転職は厳しい」とか言われてるじゃないですか。
でも実際に面接を重ねていくと、年齢よりも「これまでの実績」や「スキル」を重視する企業が増えていることに気づきました。

ちょっと待って!普通、40代で転職なんて厳しいって言われてるんじゃないの?なんで50もオファーが来るわけ?それってあなただけの特殊事例じゃない?
いやいや、キャリアさえあれば年齢は関係ないんですよ。特に専門性の高い仕事や経験値が物を言う仕事だと、むしろ40代の方が重宝されるケースも多い。
それに、ぼくの場合は「給料よりも自由を」という条件で交渉したので、企業側としても「コスパの良い人材」と思ったのかもしれません。
あと、これ意外だったんですけど、「FIREしました」と正直に言うと、むしろ好印象だったりするんです。「自己管理能力が高そう」「計画的な人なんだな」という評価をもらえたこともありました。転職エージェントの人も「おもしろい人材がいます!」というので、新卒だったら絶対に受からないだろう会社と話を進めてくれたりしました。
ただし言い方には注意が必要で、「もう働きたくないけどちょっとだけなら」みたいなニュアンスじゃなく、「新たなチャレンジとして御社に貢献したい」という伝え方をしていました。
それでも、「FIREした人はふんばりが利かなそう」という理由で、書類面接が通らなかった外資コンサルもありました。
大企業にも存在する「自由な働き方」の選択肢
大手企業でも「フルリモート」「リモート勤務可」みたいな自由な働き方ができる部署があるんですよ。たぶん実験的な人事施策なんだろうなと思うけど、これってFIREした人間にとっては理想的な環境です。

コロナをきっかけに、企業も「場所や時間にとらわれない働き方」の可能性に気づいたんだよね。お互いにとって良い変化だと思うな。特に都会のストレス多い環境に疲れた人にとってはチャンスだよ。
「科学的な適職」で見つけた自分の優先順位
転職活動の中で、鈴木祐の「科学的な適職」を読んでヒエラルキー分析をしたんです。要は「自分にとって何が大事か」を優先順位づけするやつ。ぼくの場合は以下のような感じでした(数字は重み)

FIREして収入は重要じゃないって言ってるのになんで収入が2番目の高さなの!?
収入は重要じゃないと言っても「年収 = その人の金銭的価値」という考え方の呪縛にとらわれていることに、自分自身驚いてるよ。。。いま見直してみたら、この順位付けは間違っているなと思うけど、転職活動しているときは「せっかく働くのだからそれに見合った金銭はいただかないと」という考え方をしていたのです。
まあいずれにしてもこういうリストを作って、このリストに基づいて企業を選んでいったところ、見事第一志望の会社から内定を得られました!

ヒエラルキー分析は非常に効果的だね。人は往々にして社会的ステータスや収入を優先しがちだけど、本当に大切なのは自分の価値観に合った環境。科学的アプローチで自己分析すると、意外な発見があるんだよ。
そうなんです。それまで漠然と「いい条件の会社」を探していましたが、「自分にとっていい条件って何だろう?」と考え直すきっかけになりました。
特にFIRE達成者の場合、一般的な転職希望者とは優先順位が違うことが多いので、自己分析は本当に重要です。
けっきょく志望企業の順番どおりに転職面談を進めていて、早々に第一志望の会社から内定をいただいちゃったので、ぼくの人生最初の転職活動は2社の面談だけで完結してしまいました。
サイドFIREがもたらした「本当の豊かさ」
今はフルリモート+裁量労働で、札幌の自宅から仕事してます。
朝は焦らずゆっくり起きて、朝カフェの音楽を聴きながら、近所の有名パン屋さんで買ったパンとコーヒーで、朝をスタートします。
生成AI技術を活用して、Deep Researchや情報整理をして、一日の仕事を午前中に終えてしまうと、たまに午後から温泉行って、夜に少し仕事するとか。会社のためじゃなく、自分のペースで働ける贅沢。
週40時間くらい働いてるけど、それが「労働」という感じがしないんですよね。だって好きな時間に好きな場所でできるから。時々「自分、本当に働いてるんだっけ?」って思うくらい(笑)。
でも、ちゃんと成果は出してるし、会社からも評価されてます。
経済的自由と「働く意味」の両立
サイドFIREの良さは「お金のためじゃなく、やりたいから働く」ってところなんですよ。
嫌な仕事は断れるし、嫌な人間関係も避けられる。FIRE資産があるから「最悪辞めればいい」と思えるのが、心理的安全性を生むんです。
奇跡的に収入は前とほぼ同じ水準を維持できていますが、ストレスは圧倒的に少ないです。

結局、完全FIREできないから「サイドFIRE」って言い訳してるだけじゃんw 本当にFIREできてたら、わざわざ会社なんかに属さないって。自己実現が会社でしかできないって、相当狭い世界に生きてんなw

そんなことないよ。働くことそのものが悪いわけじゃないんだよね。社会とのつながりや、自分の能力を活かす喜びを感じられるのは素敵なことじゃないかな。大切なのは自分で選べることなんだと思う。
フルリモート×裁量労働の理想的な日常
平日の昼間に空いている温泉に行けたり、混雑していない時間帯に買い物ができたり。
これって地味に大きな贅沢なんですよね。特に朝の通勤ラッシュや人間関係のストレスから解放されるのは本当に幸せです。
朝の通勤が無いっていうのは本当に最高。ゆっくり睡眠は取れるし、暑い日も寒い日も雨の日も雪の日も、朝の混雑する電車に乗らなくても良い。電車の遅延とかで計画が狂うってこともない。
快適な部屋の中で、ゆったりとした音楽を聴いて、コーヒーを飲みながら仕事始められる。
あと、「仕事」と称して近所のカフェで作業したり、時には金沢旅行や沖縄旅行ですてきな高級ホテルで「ワーケーション」なんてこともやってます。

それってただの優雅な生活自慢じゃない?働き方の話なのに、「温泉行ってます」「カフェで作業してます」って、なんか本末転倒な気がするけど…。
いえいえ、それこそがサイドFIREの本質なんですよ。「生活」と「仕事」の境界線をなくして、どちらも楽しめる状態を作ること。
従来の「週5日は苦しい仕事、週末だけ楽しい生活」という二極化した人生から脱却できるんです。
お金以上の価値を生み出す「理想の働き方」
要は「働かされる生活」から「働きたいから働く生活」への転換なんです。
サイドFIREは思った以上に精神的な豊かさをもたらしてくれました。皆さんも「完全FIRE」を目指すより、「豊かなサイドFIRE」を目標にするのはめちゃくちゃオススメです。

でもさぁ、せっかくFIREしたのに、また働くって矛盾してない?お金のために働くんじゃなかったの?
いえいえ、FIREの本質は「経済的自由」であって、「永遠に働かない」ことじゃないんですよ。働き方を自分で選べる自由、それこそが本当のFIREの価値なのかもしれません。
「FIRE=労働からの完全な解放」と思われがちですが、実は「FIRE=自分の条件で働いて生きれる自由」と考えた方が現実的だし、幸福度も高いんじゃないかと思います。
ぼくの場合、完全FIREしてみて初めて「適度に働くことの価値」に気づきました。これってある種の皮肉ですよね(笑)。
今後もFIRE資産は大切に守りつつ、好きな仕事を好きなペースで続けていこうと思います。もし今の環境が合わなくなったら、また完全FIREに戻ることもできるし、別の会社に行くこともできる。その選択肢を持っているだけで、人生の安心感が全然違うんです。
FIRE資産は「永遠に働かない」ためのものじゃなく、「自分の条件で生きる」ための切符なんだと、サイドFIREを経験して強く感じています。
現場からは以上です。
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