「東京に住んでいないと乗り遅れる」という感覚がある。
情報、人脈、チャンス。東京に住むことで手に入るもの、東京を離れることで失うもの。そういう計算が、頭のどこかで常に動いている人は多いんじゃないかと思う。
ぼくは今、年に数回しか東京に行かない。
でも、かつてより東京を10倍楽しんでいます。住んでいたときは、東京をちゃんと楽しめていなかったんですよ。出てみて初めて、それに気づいた。
住んでいたとき、ぼくは東京を楽しめていなかった
20年以上、東京近郊で働いていた。その間、東京という街をどれだけ楽しめていたかというと、正直に言えばほとんど楽しめていなかった。
平日は通勤で消耗する。朝の満員電車に乗り、会社で働き、帰りも満員電車。家に着く頃には疲れ果てていて、夕食を食べて寝るだけ。週末は「せっかく東京にいるのだから」と思いながら、体が回復を求めているので家で過ごすことが多かった。
行きたい店があっても、行列が長くて断念する。予約したくても数ヶ月先まで埋まっている。都市の豊かさを享受しようとすること自体に、エネルギーが要る。
そしてもうひとつ、もっと静かな問題がある。
日常になると、感度が下がるんですよ。東京にいると、東京の豊かさが「当たり前」になる。ディズニーランドが近くにあっても、もう何年も行っていない。二丁目だって、住んでいた頃はしばらく行っていない時期があった。「いつでも行ける」と思うと、行かなくなる。

毎日いると当たり前になるんだよね。旅行者の目で見ると、同じ街がぜんぜん違う景色に見える。
「住む東京」と「遊びに行く東京」は、まったく別の体験なんですよ。これは住んでいる間は気づけないことで、出て初めてわかる話です。
「地方に住んで、東京はホテルで楽しむ」のコスト計算
感覚論だけじゃなく、数字でも考えてみましょう。
年4回、3泊ずつ東京に遊びに行くとして、コストはいくらかかるか。
LCCを使えば、札幌↔東京の往復は約2万円。4回で8万円。ホテルを1泊1.5万円にしたとして、12泊で18万円。合計年間26万円です。
一方、東京在住コストと札幌の差額は、月7万円・年間84万円。
84万円 − 26万円 = 年間58万円、地方在住の方が手元に残る。
つまり「LCCで年4回・3泊ずつ東京を遊び倒す」生活の方が、東京に住み続けるより年58万円得なんです。「東京に住む」という選択は、実は「東京を楽しむ」ことから遠ざかる選択でもあるんですよ。
旅行者モードで来ると、東京は最高の街になる
実際に、ぼくが上京時にやることを書いておきます。
東京ディズニーランド、新宿二丁目、旧友との再会、ずっと行きたかった飲食店。これがぼくの東京の使い方です。
住んでいたときはどれも「いつでも行ける」と思って後回しにしていた。今は「行ける回数が限られている」から、ちゃんと予約を入れて、ちゃんと楽しむ。消耗じゃなく「体験」として東京を使う。密度が全然違う。

でも新宿二丁目って、住んでる人がいてこそのコミュニティじゃない?旅行者として行くのとは違うんじゃ?
これは少し答えが難しい問いで、一面では正しいと思っています。コミュニティとして二丁目に根を張っている人がいて、その厚みがあってこそ二丁目は二丁目なので、全員が旅行者になれば成立しない。
ただ、ぼくの場合は「コミュニティに属する」という目的ではなく、旧友に会う・非日常を楽しむという目的で行っているので、旅行者モードで十分なんですよね。むしろ「今日しかない」という感覚があるから、会う人とも濃い時間を過ごせる。
住んでいたときよりも、今の方が東京での人との時間が豊かだと感じています。
東京は「エンタメシティ」でいい
少し大きな話をすると、東京という街の役割は変わってきていると思うんですよね。
世界の大都市を見ると、パリもニューヨークも、「住む・働く場所」としての側面より「訪れて楽しむ場所」としての機能が強くなっている。住民は郊外に押し出され、中心部は観光客と富裕層の街になっていく。東京もその方向に向かっている。
だとすれば、東京を「住む場所」として無理に使い続けるより、「訪れて楽しむ場所」として割り切って使う方が、東京の本来の使い方に合っている気がする。
地方に拠点を置き、仕事はリモートでこなし、東京には年に数回遊びに行く。これが令和における、東京との合理的な付き合い方だとぼくは思っています。

年間コスト比較したら、東京に住み続けてた自分がどれだけ損してたかわかって笑えるぞw 何年分の旅行代を家賃に溶かしてたんだって話だよなw しかも東京楽しめてもいなかったっていうオチ付きでw
東京は最高のエンタメ施設だ。
ディズニーランドがあって、二丁目があって、世界中の料理があって、面白い人がいる。でも、その施設の中に住む必要はない。
地方に拠点を置いて、旅行者として遊びに行く。そうすると、お金も時間も余白も増えて、おまけに東京をずっと楽しめる。
これがぼくの出した答えです。
現場からは以上です。


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