ゼロで死ぬのはやめた。少し働いて、減らないグラフを手に入れる

FIRE

前回、自作のFIREシミュレーターで「ゼロで死ぬ」設定を探していたら、直感が10連敗した、という話を書きました。

10パターンも回したのに、肝心の「100歳でちょうどゼロ」にはなかなか着地しなくて、いろいろいじっていたら、ゼロで死ぬのが理想だと頭で考えているのに、いざグラフを並べてみると、一番見ていて落ち着くのは、資産が減らずにむしろ増えていくグラフだった。

今回はその本音に従って、ゼロで死ぬのはいったん忘れて、「1億の土台を割らずに、ゆるやかに増えていく」設定を探すチューニングの旅をすることにしました。その結果、けっこういいグラフに辿り着いたので、その話を書きます。

なお、入力した数字はぼくの正確な値じゃなくて、実態に近い適当な値です。そこは前回と同じく察してください。

前回の結論:ぼくが欲しかったのは「減らないグラフ」だった

まず前提を整理します。

ぼくにとって1億円は守りの土台です。これさえあれば、お金のために働く必要はないし、生活に困ることもない。だから1億円は減らしたくない。一度割ると、たぶん精神的に落ち着かなくなる。

一方で、半年で1000万円増えたという話も前に書きましたが、1億を超えた分は「自由に使っていいお金」だと考えています。

この2つを合わせると、ぼくが本当に欲しい設計が見えてきます。1億の土台は割らないけど、その上の余白分は遠慮なく使う。資産曲線でいうと、1億をずっと下回らずに、できれば緩やかに増えていく形。これが理想です。

いじわるな少年
いじわるな少年

結局ゼロで死ぬ気なんてなかったんだろw 散々シミュレーションしておいて、欲しかったのは”減らない通帳”を眺めてニヤニヤすることだったんだよw 正直でよろしいw

それは否定できない。でも、これが自分の中の答えだったので、それに合わせて設計していこうといういふうに開き直りました。

条件を2つだけ決めた:リターン7%、労働収入は年240万

理想を探すにあたって、動かさない軸を2つ決めました。

ひとつは、期待リターンを7%にすること。前回ぼくは「9%が現実路線」と書きました。実際ぼくの実績だとそれ以上出ている。でも、理想の設計をするときはあえて7%、つまり保守側で組みます。なぜかというと、相場が下振れしても耐えられる設計にしたいからです。7%で成り立つ計画なら、現実に9%出たときはもっと楽になる。安全マージンは、こういうふうに取っておくものかなと思います。

もうひとつは、労働収入を年240万円に固定すること。完全リタイアじゃなくて、少しだけ働き続ける。ぼくはもともと完全FIREのつもりで1年間フラフラしてたけど、毎日があまりにも暇で充実感がなかったためにFIRE卒業をし、いまは転職してフルリモ・裁量労働制という自由な労働形態で、好きなことだけをやる生活に切り替えています。だからこれは現実に即した前提です。

賢い少年
賢い少年

リターンを保守的に7%で置くのは、上振れを捨てて下振れに備える発想だね。それで成り立つ設計なら、9%出たらもっと余裕が生まれる。それと労働収入を残すのは、安全マージンを”運用”だけに頼らないということ。柱が2本あるほうが、片方が揺れても倒れにくいんだよ。

リターン7%、労働収入240万。この2つを固定して、あとは「いくら使えるか」を探っていきます。

労働収入240万があると、月80万使っても減らない

前回のシナリオに「保守サイドFIRE」というのがありました。7%・月75万使う・労働収入240万。これを回したら、最後に2.7億円も残ってしまった。

増えすぎるということは、もっと使っていいということです。せっかく年240万稼いでいるんだから、その分ぜいたくに使える。そう考えて、支出を少しずつ上げていきました。

刻んでいった結果、月80万円(年960万円)まで上げたところで、ちょうどいいラインに着地しました。1億の土台を割らずに、底を打って、また増えていく。これだ、という設定です。

ツッコミ少年
ツッコミ少年

年240万って、月20万ちょっと稼ぐくらいでしょ? それで月80万も使えるって、話うますぎない? どこかに罠があるんじゃないの?

罠はないんですよ。これがサイドFIREの威力。

前回も書きましたが、年240万の労働収入は6000万円を4%で運用するのと同じ効果がある。つまり「少しだけ働く」ことが、6000万円ぶんの資産を追加で持っているのと同じ意味になる。だから取り崩しが大きく減って、資産が減らない。利回りを上げるより、ちょっと働くほうがよっぽど効く。

正直に言うと、ぼくは実生活では月80万も使っていません。普段は月40万円台です。でも大事なのは「使えるのに使わない」状態でいられること。月80万まで使っても減らない、という余裕があるからこそ、好きなときに好きなだけ使える。天井が高い安心、とでも言いましょうか。

見つけた理想のグラフ:谷でも1.05億、最後は1.4億

実際のグラフを見てください。

読み方を説明します。

45歳から50歳までの資産形成期で、1.1億から1.3億くらいまで積み上がる。50歳でFIREして、そこから取り崩しが始まるんですが、減り方はごく緩やか。50代後半から60代前半にかけて、1.05億円あたりまで下がって、そこで底を打つ。一度も1億円を割らない。

そして65歳。年金が入り始めると、グラフは反転します。そこからは右肩上がり。100歳の時点では1.4億円まで増えて終わる。

つまり、生涯にわたって1億円の土台を割らず、谷を越えたあとはむしろ増えていく。月80万円使いながら、です。これがぼくの探していた「減らないグラフ」でした。

優しい少年
優しい少年

ずっと1億の土台がある安心感、いいよね。一度も1億を割らずに、最後はむしろ増えてる。減るのが怖くて使えない、っていう状態とは正反対だよね。これなら心穏やかにお金を使えると思う。

そうなんですよ。減らない確証があるから、安心して使える。この順番がぼくには大事でした。

これは「使うための計算」じゃなく「安心して使うためのお守り」

最後に、この設定の意味について。

誤解されたくないんですが、ぼくはこの通りに月80万円を使うつもりはありません。これは「毎月80万使え」という計画書じゃなくて、これはお守りなんですよ。

「7%という保守的な前提でも、少し働けば、月80万使っても1億を割らない」。この計算結果を一度確かめておくと、ものすごく安心する。安心するから、実際の生活では好きなときに好きなだけ使える。たまの贅沢に罪悪感がなくなる。家族旅行も、友人を祝う東京遠征も、ためらわずに出せる。

前々回の記事で「1億を超えた分は自由に使っていいお金」と書きました。今回の設計は、その「自由に使っていい」を数字で裏打ちしたものです。減らない計算ができているからこそ、気持ちよく使える。

賢い少年
賢い少年

安全マージンを数字で確認できると、人は安心して消費できるんだよ。一見すると、”減らない計算”と”気持ちよく使う”は矛盾しているように見える。でも実は順番の問題で、減らない確証が先にあって、その上に自由な消費が乗る。土台があるから、安心して動けるんだよ。

まとめ

ゼロで死ぬのを目指して始めたシミュレーションでしたが、辿り着いたのは正反対の結論でした。

ぼくが欲しかったのは、使い切って死ぬことじゃなく、好きなことだけをやるという働き方で少しだけ働き、1億の土台を割らない安心を作り、その上で好きに使う。これがぼくにとっての答えです。

リターンは保守的に7%。労働収入は年240万。それだけで、月80万使っても資産は生涯1億を下回らず、最後はむしろ増えて終わる。完全リタイアして節約に怯えるより、ちょっと働いて堂々と使うほうが、ぼくにはずっと性に合っています。

ゼロで死ぬのは、やめました。減らない土台を持って、その上で機嫌よく生きる。たぶんこれが、ぼくのFIREの完成形です。

現場からは以上です。

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