「億り人になりましたか?」と聞かれることが増えました。
なりました。2026年1月に純金融資産が1億円を超えました。
でね、ぶっちゃけ生活そのものはほとんど変わってない。家賃も外食頻度もコンビニで買うものも、去年とほぼ同じ。それでも、確実に「段差」を踏んだ感覚があるんですよね。
これは何なんだろう、と考えていました。マジューリ『THE WEALTH LADDER 富の階段』を読んで、ようやく言語化できた気がします。前回の記事は「富の階段を日本円換算する」という前提整理をしました。今回はその上に、ぼく自身がレベル3からレベル4に上がったときの変化を載せていきます。
軸は4つ。変わったこと/変わらないこと/変えるべきこと/変えてはいけないこと。FIRE系の発信で「億り人になりました」までは語る人が多いけど、その後の棚卸しをこの4象限でやっている人はあまり見ない。今日はそれをやります。
前回のおさらい ── 富の階段と日本の富裕層ピラミッドは一致する
前回の記事で、マジューリの6段モデルを日本円に換算するなら「為替レートじゃなく1ドル=100円のラフ換算」が正解、という話をしました。それを野村総研の富裕層ピラミッド(2023年データ)と照らすと、ほぼきれいに一致する。
円換算した階段はこんな感じです。
- レベル1:〜100万円(余裕なし)
- レベル2:100万〜1000万円(食料品の自由)
- レベル3:1000万〜1億円(レストランの自由)
- レベル4:1億〜10億円(旅行の自由)
- レベル5:10億〜100億円(住居の自由)
- レベル6:100億円〜(影響力の自由)
ぼくの現在地は、純金融資産1億円ちょい。野村総研では「富裕層」(1〜5億円、全世帯の2.83%)入り、マジューリでは「レベル4の入り口」に立ったところ。前回の答え合わせで土台が固まったので、今回はこの上に「自分の変化」を載せていけます。

前回の土台があるから、今回は『で、自分はどこにいるのか』『何が変わったのか』を客観的に語れるんだよね。階段の何段目にいるかが分かると、自分の変化を冷静に観察できる。これが地味に効くんだよ。
レベル3とレベル4の境界線で起きていること ── マジューリの「段差」理論
マジューリの本のコア・メッセージは、「各レベルの境界で、お金との関わり方と最適な戦略が 不連続に 変わる」ということ。これがいわゆる「段差」です。階段だから段差がある、というメタファー。
レベル3「レストランの自由」からレベル4「旅行の自由」の段差で、具体的に何が変わるか。
ひとつは 量的な変化。純資産1億円・年利5%なら、投資リターンが年500万円。これは中央値の会社員の年収と肩を並べる金額です。「労働収入と投資リターンが拮抗する」というのが、レベル4の入り口の客観的な姿。
もうひとつは 質的な変化。「働かなくても生活できる」という心理的余裕が、初めて本当の意味で手に入る。レベル3まではどこか「不安」が残るんですよ。「いや、まだ足りないかも」「あと2、3年は働かないと」という気持ち。レベル4に入ると、その不安の質が変わる。
そして 戦略の変化。労働力レバレッジ中心の戦略から、資本・コンテンツ・コードのレバレッジへ移行することが視野に入る ── ここはまだ「視野に入る」段階で、実行はこれからなんですけどね。
ぼくが感じている「段差を踏んだ感覚」の正体は、たぶんこの3つの組み合わせです。

でも実際に生活が劇的に変わるわけじゃないんでしょ?じゃあ結局、何が違うって言うのさ?
そこを、4つの軸に分解していきます。
変わったこと ── 心理と意思決定のレイヤー
レベル3→4で実際に変わったこと、これは「心理と意思決定」のレイヤーに集中しています。
小さな支出への罪悪感が消えた。1000円のコーヒー、5000円のディナー、1万円の本まとめ買い、これらに対する心理的抵抗がほぼゼロになりました。以前は「これ買っていいかな」と一瞬迷っていたところを、迷わなくなった。これは次回以降の記事で扱う「0.01%ルール」とも関係する話なんですが、純資産の規模が変わると、日常の支出の重みが体感として変わる。
暴落への耐性が上がった。30%下落しても、生活費の心配がない。「売らなければ負けじゃない」というインデックス投資の鉄則を、本当の意味で実行できる心理的余裕が手に入った。以前は理屈では分かっていても、お腹の底で不安があった。今はその不安がほぼゼロになった。
「いつでも辞められる」前提の働き方になった。これは2024年のフルリモート転職時から少しずつ始まっていたけど、レベル4到達で完成した感覚です。会社にしがみつく必要がない、という心理的自由が労働の質を変える。「AIレバレッジ勤務が楽しい」「いつでもクビにしてくれていい」という感覚も、この前提の上で成り立っている。
意思決定のスピードが上がった。迷う時間が減った。「これ買おうかな」「これに時間使おうかな」の判断が秒で決まる。お金の不安が薄れると、判断の軸が「これは欲しいか」「これは時間に値するか」だけに絞られる。シンプル。
共通項は、「お金のことを考える時間が減った」 こと。お金が増えたのに、お金のことを考える時間が減る。これは面白いパラドックスです。

お金が増えたら、お金のことを考えなくて済むようになる。これって幸福の本質に近い気がするよね。お金を持っていることそのものより、お金から自由になれることに価値があるんじゃないかな。
変わらないこと ── 日常生活のレイヤー
一方で、日常生活はほとんど変わっていません。
家賃は同じ。札幌の同じ部屋に住み続けています。引っ越す理由がない。広さも立地も気に入っているし、家賃を上げる意味が見当たらない。
食生活は同じ。自炊中心、外食は週0~1回、ブランド食材を爆買いしたりはしない。札幌は野菜も魚も普通のスーパーで十分美味しい。
持ち物は同じ。ミニマリスト思想は維持しています。新しい服も家電もほとんど買ってない。洋服を買うときはユニクロ。
趣味も同じ。読書、このブログ執筆、AIの調査、これらはどれも資産額に関係ない。1億円持っていようが100万円しか持ってなかろうが、ぼくは同じことをやっていたと思う。
仕事も同じ。フルタイム雇用+AIレバレッジ勤務を継続中。これも前回シリーズで書いた通り。
要は、生活コストの構造は資産額に依存しないということ。これがミニマリスト思想の真価で、いくら稼いでも生活コストが上がらないから、増えた分はそのまま自由度として手元に残る。
これは意識して維持している部分です。次に書く「変えてはいけないこと」に直結する。
変えるべきこと ── レベル4の戦略への移行
ここからが本記事の前向きパート。レベル4の入り口に立った今、これから「変えるべきこと」は何か。
マジューリの第7章にこんな指摘があります。「レベル4は、従来のキャリアがその有効性を失い始めるレベル」。それまでと同じように働いて稼いでも、もはや資産の増加にそれほど影響しなくなる、と。年収1000万円を年収1500万円にしても、純資産1億円の人にとっては誤差レベル。
だから、変えるべき方向性はこのへんになります。
労働力レバレッジ依存からの脱却。AIレバレッジ勤務は素晴らしい戦略だけど、これは「労働力×コード」の組み合わせ。レベル4の後半に向けて、「資本×コンテンツ×コード」へ重心を移していく必要がある。この詳細は次回書きます。
副業から事業へのシフト。今は副業の個人事業を準備中ですが、これを単なる副収入ではなく「エクイティ(自分の事業の所有権)」として育てる意識が必要。マジューリのデータでは、レベル4以降の資産は事業利益の比重が一気に上がる。
このブログをコンテンツ・レバレッジとして本気で扱う。いま書いているこの文章自体が、コンテンツ・レバレッジの実例。一度書けば限界費用ゼロで複製される。これまでぼくはブログを「趣味の延長」として書いてきたけど、レベル4以降の戦略としては「コンテンツ資産」として育てる意識が要る。
投資ポートフォリオの再点検。これまでは「Just Keep Buying」 の積立中心、つまり「とにかく買い続ける」戦略。これはレベル2〜3で最強の戦略なんですが、レベル4以降では事業利益の比重が上がるべき、というのがマジューリのPSIDデータの示唆です。
詳細は次回以降のシリーズで。今回は「変えるべき方向性」だけ示しておきます。

『億り人になりました』で止まっとけよw 中年のおっさんがこれ以上なに張り切ってがんばるんだよw
変えてはいけないこと ── 生活コストとミニマリスト思想
最後に、これは絶対に変えてはいけない、というポイント。
生活コストを上げない。マジューリも繰り返し警告している「ライフスタイル・インフレ」。資産が増えたからといって、家賃を上げたり、車を買ったり、ブランド品を買ったりすると、増えた資産が固定費に吸われて自由度が下がる。階段を上ったはずなのに、自由度は逆に減るという皮肉な結果になる。
ミニマリスト思想を捨てない。「少なければ少ないほど良い」というオッカムの剃刀的価値観。これはお金が増えても捨ててはいけない。むしろレベルが上がるほどこの規律が効きます。誘惑が増えるからこそ、規律が要る。
仕事の意味を失わない。マジューリの第12章で語られる「精神的な富」。お金があっても目的がないと虚しい、というのが本書の繰り返しのメッセージです。だからこそAIレバレッジ勤務を続けている ── これは「変えてはいけないこと」の中で一番大事かもしれない。
見栄を張らない。札幌に住んでいて、フルリモートで働いていて、ミニマリスト。これは資産額が10倍になっても変えない。マジューリの本の最終章でも「人は裕福になってようやく、人生最大の喜びの多くにお金はかからないと気づく」と言われています。先に気づいておけば、見栄を張る年月をスキップできる。

変えるべきことと、変えてはいけないことを、ちゃんと分けて考えるのは大事だよね。お金が増えたから何でもアップグレードする、じゃなくて、変えるべき軸と変えてはいけない軸を見極める。これがレベル4で問われる規律なんじゃないかな。
あなたの「段差」はどこにあるか
ぼくの場合はレベル3→4の段差を書いたけど、読者ごとに段差は違う場所にあります。
- レベル1→2の段差:借金から抜け出して、貯金がプラスに転じる瞬間。生活防衛資金が3〜6ヶ月分溜まる瞬間。心の余裕の質が変わる
- レベル2→3の段差:純資産1000万円を超える瞬間。「将来の不安」が「将来の選択肢」に変わる転換点。インデックス投資の複利効果を体感し始める
- レベル3→4の段差:純資産1億円を超える瞬間。労働収入と投資リターンが肩を並べ始める、いわゆる「億り人」。心理的自由が完成する
- レベル4→5の段差:純資産10億円を超える瞬間。これは事業オーナーや上位経営者の世界。給与所得から完全に離脱する段
それぞれの段差で、「変わるべきこと」「変えてはいけないこと」を整理しておくと、踏んだ瞬間に迷子にならずに済みます。漠然と「金持ちになりたい」じゃなくて、「次の段差で何が変わるか」を予習しておく。これが本シリーズの実用的な使い方かもしれません。
レベル3からレベル4の段差を踏んでみた感想を、今回はオープンに書きました。
要点をまとめると、生活そのものは変わらない。でも心理と意思決定は確実に変わった。そして、変えるべきこと(レベル4の戦略への移行)と、変えてはいけないこと(生活コストとミニマリスト思想)を冷静に分ける ことが、この段差で問われる規律です。
これをやらないと、せっかく段差を踏んでもライフスタイル・インフレに飲み込まれて、上った階段が意味を失う。豪邸を買って、外車を買って、ブランド品を買って、結局自由度が下がる ── そういう「億り人の落とし穴」は世の中にたくさんある。
次回は、「変えるべきこと」の本丸 ── AIレバレッジ勤務の賞味期限と、レベル4以降のキャリア戦略の話に入ります。前回「AIレバレッジ勤務こそ令和の最適解」と書いたんですが、富の階段の視点で見直すと、その主張には時限性があった。自己アップデート回です。
現場からは以上です。


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